こころの声に気づく やさしい時間

ほんわか倶楽部の「そっと こころの聴き旅」をご一緒いただき、ありがとうございます。
まずは、この「こころの聴き旅」のこれまでのお便り一覧を、いつでもご覧いただける場所のご案内です。
日々の生活の中でふと立ち止まったときや、静かな時間が訪れたときに、心の中の声をたどり直すためのやさしい灯火となるようにまとめています。
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前回は、「自分のこころを聴きたいと願いはじめるとき」というテーマで、自分の内側に静かに目を向ける小さな問いかけをご紹介しました。
その問いは、かすかな小鳥のさえずりのように、胸の奥で響き始めるものでした。
たとえそれが、とても小さな気配だったとしても、こころの旅を静かに動かしはじめる大切な一歩となるかもしれません。
今日は、その旅のなかで、わたしたちがとても大切にしていきたい「こころの声に気づく」やさしい時間について、ご一緒に見つめていきます。






毎日の生活は、忙しさと慌ただしさで満ちています。
仕事や家事、人とのやりとり、予定や情報に追われていると、まるで目の前に広がる風景が霞んで見えなくなってしまうように…
こころの声も、いつのまにか、遠くへ追いやられてしまうことがないでしょうか?
けれど、こころの声は決して消えたり、なくなったりするものではありませんよね。
むしろ、その声に意識を向けるその瞬間を、じっと静かに待ち続けています。
その声は、大きな叫びや派手な表現でなくても…
ひと呼吸置いたときに感じる胸の奥のあたたかさや、心地よい風が肌を撫でるような静かな感触、
あるいは、ちいさな胸のざわめきや、言葉にできないもやもやとした感覚として、そっと寄り添っているのです。






たとえば、こんな瞬間に気づくときはありませんか?
- 朝の柔らかな光がカーテンの隙間から差し込んで、目を細めている自分に気づくとき。
- ふとした誰かの言葉や笑顔に、胸の奥がじんわりと温かくなり、思わず心がほっと緩むような瞬間。
- 静かな沈黙のなかで、まるで重かった何かがすっと溶けていくような、身体の奥の緊張がゆるむような感覚。
そんな何気ない日常の断片のなかに、こころの声の種が埋まっているのかもしれません。
もし、いまこの瞬間に、言葉にできる何かを感じていなくても問題ありません。
こころは言葉だけで語るわけではないからです。
呼吸の微かなリズムや、胸の奥で響くざわめき、肩や手のわずかな動きの中にも、こころがしっかりと息づいています。
そこに、ゆったりと意識を向け、ただ感じてみる姿勢。
それが、こころとゆっくり向き合うための最初の大切な一歩となります。






このように、ほんの少しの時間でも何かに答えを出そうとせず、「いま、ここで感じるままに身をゆだねる」ことを繰り返す積み重ねは、こころにやさしい余白を生み、静かな安心感をもたらしてくれるでしょう。
このやさしい気づきの積み重ねは、ジェンドリンの提唱するフォーカシングの核となる部分でもあります。
フォーカシングとは、心の深い部分に存在する言葉にしきれない感覚やイメージ、そして感情をただそっと感じ取っていく過程です。
それはまるで、静かな湖面の奥底に潜む小さな光の波紋を、ゆっくりと見つめるような時間の流れ。
このプロセスを通じて、自分自身のこころの奥深くと穏やかに繋がり、時には迷いや不安・葛藤さえも受け入れながら、自然なかたちで自分の中に溶け込ませていくことができます。
だからこそ、こころの声を聴くことは単なる癒しや慰めではなく、あなたの内なる存在と出会い直し、人生を生きる力の根源に触れる営みでもあるのです。






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今日のこのお便りが、あなたのこころに、静かな光を灯す小さなきっかけになれば嬉しいです。
ぜひ、ゆっくりと、呼吸を感じるように、こころの声に耳を傾けてみてください。
ふとした瞬間に浮かぶ言葉や感覚に、ただそっと寄り添うことから、あなたの旅はさらに深まっていくかもしれません。
次回は、この「感じきること」──こころの奥の思いとつながる体験について
より具体的なことをお伝えしながら、また一緒に歩んでいきたいと思います。
それでは、またお便りいたしますね。


もし、よろしければ…
今回の記事を読んで、心に生まれたものを、お手すきの際に教えていただけませんか?
一度ゆっくりと深呼吸をしてから…
ご自身のペースで、心に浮かんだ感じを、少しずつでもお聴かせいただけたら嬉しいです。
いただいたお声は、毎回、隅々まで目を通して、これからの発信や対話を、より深く豊かにしていくための大切な糧として活用させていただきます。


ご精読いただき、誠に有り難うございます。
Despair 傾聴デザイナー/本質追求型・密接派クリエイター
(Despair: 絶望 失望 落胆 失意 自暴自棄 憂鬱など …)
絶望もまた、声を持っている。
マイノリティとマジョリティの狭間で揺れながら生きてきた人生のなかで、「声にならない声」に静かに耳を傾ける旅を、心の底から選びました。
「きれいごと」の言葉がナイフのように刺さる痛みを知っているからこそ、安易なアドバイスではない、心の深みに降りていく関わり(Deep Listening)を大切にしています。
2016年、真摯な傾聴の場「ほんわか倶楽部」を創設。
心の深みに寄り添う傾聴セラピーに、一歩でも近づきたくて、試行錯誤の日々を重ねています。



