自分に優しくなるための言葉と感覚

── 自己受容と自己肯定のやさしい道

ほんわか倶楽部の「そっと こころの聴き旅」をご一緒いただき、ありがとうございます。

まずは、この「こころの聴き旅」のこれまでのお便り一覧を、いつでもご覧いただける場所のご案内です。

日々の生活の中でふと立ち止まったときや、静かな時間が訪れたときに、心の中の声をたどり直すためのやさしい灯火となるようにまとめています。

「こころの聴き旅」のこれまでのお便り一覧

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前回の便りでは、「感情を感じきる」という営みを、じっくりと味わってみました。

それは、心に湧いてくる感情の波を否定せずに、ただ「ここにあるもの」として迎え入れ、抱きしめるような時間でしたね。

では、その感情を感じきったあと。

わたしたちのこころには、どんな風景がひらいてくるのでしょうか。

今回は、その次の一歩。

“自分に優しくなる”という、小さくて大きな営みに触れていきたいと思います。

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感情をまっすぐに感じきったあとのこころは、とても繊細で、裸のようにやわらかい状態になります。

そこに、もしも誰かの否定的な言葉や、厳しいまなざしが差し込んできたなら ──

その柔らかさは、すぐに固く閉じてしまうかもしれません。

だからこそ、その瞬間に「自分が自分にかける言葉」や「まなざし」がとても大切なのです。

たとえば、こんなふうに自分に語りかける声を、日々のなかで聞いたことはありませんか?

  • 「私って、ダメだなあ …」
  • 「また、こんなふうに落ち込んでる …」
  • 「もっと、ちゃんとしなきゃ …」
  • 「弱音なんて言ってられない …」

気づかないうちに、わたしたちは 自分自身にとても厳しい言葉を投げかけているときがあります。

その言葉が心のなかで、いつの間にか習慣のようになっている場合も、少なくありません。

でも──

その声が、もともと“自分自身”のものだったとは限らないのです。

もしかすると、かつて誰かからかけられた言葉、

社会の中で生き延びるために自分に覚えさせた態度、

愛されるために選んできた「こうあるべき」という形 ──

それらが、自分の声にすり替わっていただけかもしれません。

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では、いまここから、そっと問い直してみましょう。

「本当に、そんなに厳しくしなくても、いいのではないか?」

「もっと、優しいまなざしで、自分に触れてもいいのではないか?」

たとえば、こんな言葉を、自分にかけてみる声がけはできるでしょうか?

  • 「そんなふうに感じてたんだね」
  • 「いまは、それでいいよ」
  • 「ちゃんと、生きてきたよね」
  • 「よくがんばってる、わたし」

言葉にできなくても、手を胸にあてて、そっと呼吸を感じるだけでもかまいません。

まるで、大切な人をあたたかく包むように、自分の心に触れるように ──

「いまの自分を責めない」

それだけで、こころは少しずつほぐれていきます。

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これは、ジェンドリンがフォーカシングの中で語っていた「伴走者(コンパニオン)」の感覚にも、どこか似ています。

自分のこころの奥にある微細な感覚や気配に、批判せず、急かさず、ただそばに居てくれる存在

そしてその存在は、わたしたち自身が、自分に向けて育てていくことができるのです。

たとえば、今、あなたのこころの中に「すこし緊張している場所」があったとしたら ──

そこにそっと手をあてるように、目を閉じて、優しく声をかけてみてください。

「そこにいていいよ」

「無理にがんばらなくても、大丈夫」

「わたしは、ここにいるよ」

そんな“内なるやさしさ”は、すぐに言葉にならなくても構いません。

感じようとする姿勢そのものが、すでにこころを癒し、包んでいるのです。

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もしも今日、ほんの少しだけでも、自分に優しくしてみようかな…と思えたら。

それは、自己受容の扉が、あなたの中でそっと開いた証です。

その扉は、何度でも、やり直すことができます。

うまくいかなくても、思うように優しくなれなくても、やさしさは、繰り返し育てていける感覚なのです。

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次回は、「自分と他者を隔てる境界線」について ──

それが、わたしたちにどんな安心感をもたらすのか、ご一緒していきましょう。

それでは、またお便りしますね。

今日も、こころにそっと、あたたかな灯がともりますように ──


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