"わかってほしい"という声に 耳を澄ますとき
── つながりを求める、こころの静かな祈り

ほんわか倶楽部の「そっと こころの聴き旅」をご一緒いただき、ありがとうございます。
まずは、この「こころの聴き旅」のこれまでのお便り一覧を、いつでもご覧いただける場所のご案内です。
日々の生活の中でふと立ち止まったときや、静かな時間が訪れたときに、心の中の声をたどり直すためのやさしい灯火となるようにまとめています。












穏やかな午後のひととき、あなたのこころにそっと寄り添えたらと願いながら、この便りをお届けします。
これまでの配信で、自分のこころに静かにゆっくりと耳を傾け、やさしい感覚に触れる時間を積み重ねてこられましたね。
今日は、誰もが抱く切実で、時に胸を締めつけるような想い ……
「わかってほしい」というこころの奥の願いについて、深く丁寧に一緒に味わっていきたいと思います。












わかってもらえない 寂しさと痛み …
誰かと心を通わせようとするとき、こんな思いが、ふと顔をのぞかせるときはないでしょうか?
「どうして、私のこころの声は届かないのだろう ……」
「こんなに伝えたいのに、なぜ、分かってもらえないのだろう ……」
「ここにいるのに、なぜ、見えないのだろう ……」
それらは決して恥ずかしいものでも、弱さの証でもないと思います。
むしろ、こころが誰かとつながりたいと必死に手を伸ばし、静かに叫んでいる証なのではないでしょうか?
ただ、その願いが届かず、誰にも分かってもらえない孤独の闇に閉ざされるとき
胸の内にはぽっかりと空洞があき、冷たい風が通り抜けるような寂しさや痛みが押し寄せてきます。
そのぽっかりとした深淵に、静かに身を委ねる時間さえ、心が痛むときがあるかもしれません。
でも、その痛みこそが、こころの真実の一部でもあります ……。












"わかってほしい"という、こころのSOS
「わかってほしい」という切実な願望は、こころからの大切なサインです。
それは「私はここにいる」という、存在の叫びであり
「私のことを認めてほしい」という、根源的な切望でもあるのではないかと思います。
この願いは、きっと、多くの人が心のどこかで抱えているもので、本能的な承認欲求や自己肯定感の渇望でもあったり…
誰かに理解されるプロセスで、私たちは自分自身を肯定し、安堵の息をつこうとします。
しかし、その願いが届かずに孤立するとき、その胸の痛みは深まり
自己の存在意義が揺らぎ、さらに孤独に閉じこもってしまう場合があるのです。
それでも、私たちは日々を懸命に生き抜いています。
それだけで、もう充分に強く、そして愛おしい存在なのではないでしょうか?












自分のこころが望むものに、まずは気づいてあげる
そんなとき最初に大切なのは、「わかってほしい」という感情そのものを否定せず、ただそのまま受け入れてあげる姿勢です。
「こんなに甘えてはいけない」
「弱い自分を見せては、ダメだ」
「こんな感情は捨てなきゃ」
そう思い込んでフタをしてしまうと、こころは、ますます息苦しくなってしまいます…
代わりに
「そう感じていたんだね」
「ずっと、そばにいてほしかったんだね」
「その気持ちは、とても自然なものだよ」
そんなやさしい言葉を、あなた自身の胸に、そっとかけてみていただけるでしょうか?
その言葉がふわりと響く瞬間、こころの奥深くがゆるみ、ひとつの癒しの種がまかれるのです。
胸に手をあててみてください。
胸の奥で震えている、細かな感情の波を感じてみましょう。
その小さな震えは、あなたの命の営みであり、存在する意味そのものでもあります。
その感覚は呼吸のリズムとともに…
まるで波が寄せては返すように、静かに、しかし確かにこころに届いていきます。












"わかってほしい"を誰かに求める前に、自分で聴いてみる
わたしたちはしばしば、他者に自分の想いを分かってほしいと強く願い
その思いが胸に満ちるあまり、外の世界に向けて叫び続けてしまいがちです。
しかし、その前に大切にしたいのは
まず自分自身が、その感情に深く寄り添い、聴いてあげる姿勢です。
自分の中で、「わかってほしい」という感覚が、何を語っているのか?
どんな体の感覚や気配とともに、その気持ちがやってくるのか?
その声に、どうか、ゆっくり耳を澄ませてみていただけるでしょうか?
自らの感情の声に静かにうなずけるようになると、外からの理解に頼りすぎるよりも、しなやかに心の軸を保てるようになっていきます。
そのプロセスは、疲れた身体をゆっくり休めるような、こころの深いところの静かな休息のようでもあります。












いま、あなたのこころは、何を欲しているでしょう?
あなたのこころの深いところは、今、どんな声をあげているでしょうか?
もしよければ、いま感じている「わかってほしい」という切実な想いに、そっと寄り添いながら、下記の問いかけを静かに味わってみていただけると嬉しいです。












5つの問いかけ
これまで、心の奥にある“わかってほしい”という気持ちに静かに寄り添ってみました。
ここで、ご自身のこころに、小さく問いかけてみる時間を持ってみませんか?
- もしよければ、「誰かにわかってほしいと願っていたのは、どんな気持ちでしたか?」
- その想いは、どんな場面や出来事で、特に強くなりましたか?
- そのときの自分に、どんな言葉やまなざしをかけてあげたいですか?
- その気持ちをいまも感じているとしたら、どんなふうに寄り添えますか?
- 本当は、どんな関わりや、つながりを望んでいたのでしょうか?












正解はないと思いますし、ゆっくり味わって …
問いの答えが、すぐに見つからなくても、浮かんできた言葉や感覚を、そのまま感じてみます。
こころの中の言葉にならない想いも ──
見過ごしてきた、小さな気配も ──
ただ、そのまま受け止めてあげて ──
そのひとつひとつが、あなたのこころの柔らかな癒しとなって、自分自身とのつながりを豊かにしていきます。












小さな あとがき
「わかってほしい」という想いは、時に深い孤独や哀しみをともないます。
だからこそ…
その感情を自分自身が、そっと受け止めて、やさしく寄り添う営みは、自分を癒し、尊重するための大切な第一歩となります。
その歩みのなかで、自分のこころと穏やかにつながり …
やがて段々と、他者とのつながりも、より自然に心地よく感じられるようになりやすくなっていきます。
"わかってほしい"という想いをそっと抱きしめた、その先で ──
次回は、「つい比べてしまうときの、こころの向け方」について綴ってみようと思います。
いつも、静かに耳を傾けてくださり、ありがとうございます。














もし、よろしければ…
今回の記事を読んで、心に生まれたものを、お手すきの際に教えていただけませんか?
一度ゆっくりと深呼吸をしてから…
ご自身のペースで、心に浮かんだ感じを、少しずつでもお聴かせいただけたら嬉しいです。
いただいたお声は、毎回、隅々まで目を通して、これからの発信や対話を、より深く豊かにしていくための大切な糧として活用させていただきます。





