うまくいかない日も、こころを責めない

── 順調でない日ほど、自分へのまなざしを丁寧に

きょうも『そっと こころの聴き旅』を開いてくださり、ありがとうございます。

いま、どんな空間で、どんなこころ持ちでこの画面を眺めてくださっているでしょうか ──

ここから新しい扉をゆっくりと開く前に、これまでの「こころの聴き旅」がいつでも置いてある、お便り一覧を置いておきます。

胸の奥が少し波立つときや、静かな余白に触れたくなったときに…

いつでも、過去の足跡をたどり直す、灯火のようになれましたら幸いです ──

「こころの聴き旅」のお便り一覧

前回は、「こころの“疲れ”に気づいたとき」という流域で、限界までがんばり続けてくれた内側が起こす、健気な自己防衛の営みについて、ご一緒にみつめていきました。

今回は、その疲れやつまずきを受け止めたあと、日々の暮らしのなかで、どうしても訪れてしまう…

「うまくいかない日」との付き合いについて、焦らず、急がず、ゆっくりと、伴に味わってみたいと思います。

「なんとなく進めない」という重み

朝、目が覚めたときから、どうしても気持ちが前に向かない…

やらなければならない予定やタスクが目の前にあるのに、どうしても手につかず、時間だけが虚しく過ぎていく ──

そんな一日は、ないでしょうか?

世の中は、常に効率や前進を求め続けます。

そのため、私たちはわかりやすい不調がない限り、「立ち止まる自分」を許すのが、とても難しくなってしまう感覚を持っています。

「どうして、みんなと同じように、うまくやれないのだろう…」

「また、今日も時間を無駄にしてしまった…」

そうやって、頭で自分を厳しく取り締まり、無理に前に進もうとすればするほど、胸の奥の小さな叫びはさらに遠ざかってしまいます。

ですが、からだにバイオリズムがあるように、こころのエネルギーにも、当然のように満ち引きの波が存在しているのですよね…

順調に進めない日というのは、決して自分自身が弱いからでも、怠けているからでもないと考えてみると、どうでしょうか ──

むしろ、これまでに外側に向けて使い果たしてしまったチカラを、内側の深い場所で、静かに回復させようとしている、こころの健気な調整期間のサインなのではないでしょうか ──

自分にかける"ひとこと"を選びなおす

私たちは、順調でない日ほど、自分に対して鋭い刃物のような言葉を投げかけてしまいやすくなるかもしれません。

「もっと、ちゃんとしなきゃ…」

「弱音なんて、言ってられない…」

その厳しいまなざしが、どれほどご自身を裸のまま凍えさせているか、ほんの少しだけ、胸に手を当てて感じてみていただけるでしょうか ──

もし、その痛みに気づいたなら、ほんの小さな試みとして、自分にかける言葉の響きを、少しだけ変えてみます。

「ちゃんとしなきゃ」という重荷を、そっと横に下ろして、

「今は、ただ、うまくいかない時期なのだな」 「進めない日があっても、いいのかもしれないな…」

そうやって、今の自分の状態にそのまま名前をつけてあげるだけで、内側の強張りが、ほんの少しだけ、ふわりと緩み始めます。

正しい答えや、劇的な解決を探す必要は、ありません。

ただ、その「できなさ」を、否定も判断もせずに、そのままあたたかく包み込んであげるスペースを、こころの中に一幅分だけ広げてみる。

「やさしさ」という感性は、誰かに与えられるのを待つものではなく…

いつでも、今ここから、自然にあなた自身のなかで育て直すことができる、確かなチカラなのではないでしょうか ──

責めないという姿勢が、安全基地になる

すべてが思い通りに進む日ばかりが、良い一日とは限らないのかもしれません。

うまくいかない日、何も生産できなかったように思える日に、どれだけ自分自身を責めずに、その重みとともに静かに佇んでいられたか…

エネルギーが完全にゼロになって倒れてしまう前に、微細なサインをキャッチして、自らに余白を許す優しさを持つという選択 ──

その静かな「許し」の経験こそが、のちに、何があっても揺るがない、あなたのこころの安全基地の土台になっていくはずです。

焦らず、急がず、きょうはただ、不完全なままの自分を、丁寧にいたわってあげませんか。

あなたが、自分自身の一番の理解者として、そのこころにそっと寄り添っていられますように ──

それでは、またお便りいたしますね。

今日も、こころにそっと、あたたかな灯がともりますように ──



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