誰にも言えない

向こう側
「もう何も言いたくない」と感じてしまう日も、

「……もういいや」 そう呟いたのが、何回目だったか、もう覚えていない。 スマホを伏せたまま、テーブルの上に置いて、背もたれにもたれかかる。 既読も未読も、どうでもよくなってしまったような、そんな夜。 伝えたかったはずなの […]

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向こう側
ここにいるのに、どこにもいないような――

存在の影がゆれるとき 「ごめんね、ちょっと考えさせて」 そう言って、そのまま返信しなかったメッセージの画面。 既読がついたまま、もう何日も経っている。 言いたいことがなかったわけじゃない。 ただ、どの言葉も遠くて、重たく […]

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