記事タイトルをパッと見て、なんとなくでも分かる方もいらっしゃると思います。
「聞く」だけなら、心を込めなくても聞けてしまいます。右から左に流したり「ウンウン」と適当な相づちを打つだけでも聞けてしまいます。なんとなくでも、何かをしながらでも聞けるわけです。単なる、言葉のやり取りですね。
例えば「明日、雨なんだって」という言葉を「そうなんだ。傘がいるね」という淡々とした会話にしかなりません。実は天気の話を出したのは、楽しみにしていた明日のお出かけに影響する心配からかもしれません。それを察してくれないのでは心の距離を感じ寂しいものです。
「聞く」という字を見ても、中に「耳」しか入っていないように耳でしか聞いていない状態です。どちらかといえば受け身的とも言えます。
こちらの「聴く」は心を込めて聴くことです。単なる言葉のやり取りではなく、心のやり取りです。「明日、雨なんだって」という言葉を、言葉だけではなく気持ちを聴くわけです。
「明日のお出かけが心配になるね。大丈夫かな? イベントが延期にならなければいいけどね・・・」と察しられる聴き方です。話しかけられるまで、何かをしていたとしても、手を止めて相手の方を見てする聴き方です。
「聴く」という字には「耳」に加え「心」が入っています。心の耳で「聴く」となります。「聞く」が受け身的だったのに対して「聴く」は積極的な意味合いがあります。例えは極かんたんなものにしましたが、共感や親近感も違ってくるわけです。そして、「傾聴」は心を相手に傾けて聴くことです。
さらに、きくにはもう一つあります。「訊く」です。これは何でしょう? これは「聴く」とは正反対のように思います。「人に道を訊く」という使われ方もします。もっとも積極的です。
「訊く」とは、自分がききたいことだけを、相手の言動に関わらず、どんどんと訊く姿勢です。例えば「明日のイベントの天気、見た?」、「何だった? 雨?」、「降水確率は?」、「傘はカバンに入れた?」と矢継ぎ早に追及するイメージです。
親が子どものお出かけ前に訊くような会話にも似てますね。「訊く」ことで相手が見落としていた点や言い出しにくかったこともきける可能性もあり、時には必要なものです。相手のことを思いやっているのでしたら、決して、わるいものではありません。
ですが、訊くばかりですと相手の状態によっては他にも言いたかったことや、一番、言いたかったことを見落として独りよがりになってしまう危険性もあります。そうなると、距離も出来やすいかもしれませんし、ふさぎ込む要因になってしまうかもしれません。
例えば「何で、そんなことも出来ないの!?」、「ちゃんと教えたのに覚えてないの?」、「集中してきいてたの?」などとなってしまうと、きくどころか思いやりもなく責める一方で痛いですし、とても悲しくなります。
● むらた つとむ ●
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