精神症状の悪化により、入院中の40代半ばの女性がおられます。
彼女には、まだ小学生の娘さんがいますが、ずっと、離れて暮らすことを余儀なくされています。
そんな中、ある日、病院に見舞いに訪れた愛娘を、彼女は抱きしめ、涙ながらに思わず言ったそうです。
このことを間接的に聞いた男性からの、沸々とした電話を受けた私でした。
彼は、彼女に好意を寄せています。
以前から私は二人のことを知っていましたので、複雑な経緯と状況を把握していました。
彼いわく・・・
僕は どうすることも出来ない
面会は身内でも なかなか許可はおりず
主治医の制限が厳しくて出来ない
ということのようです。
もう1年近く、全く連絡不通で退院を待ち望みながら、悩む日々。
やっとのことで、彼女の院内の様子を知ることにこぎつけたのでした。
彼の話の様子から、色々なことが感じられました。
彼女は以前、その彼に・・・
どこが好き?
と、何度も何度も、くり返し聞いていたことがありました。
しばらく、彼の傾聴をしていて、私の中に浮かび上がり、見えてきた大切なものがありました。
それは、入院中の彼女の、心の声でした。
私の感じたもの・・・ それは、彼女の存在理由と、強い自己否定
本当は・・・
心療内科の通院をしながらも、入院前の元気な頃・・・
彼女は無邪気に笑い、アップテンポな西野カナさんの曲をカラオケで歌っていたり、
娘さんとパンづくりをしたり、資格取得して就職にトライしたり、オシャレをしてイキイキしていました。
心がひどく昏迷している今は、心の奥底で本人すらも感じない程の小さな声で、彼女の心の声は叫び続けているだろうと思うと胸が痛くなります。
残念ながら、私も面会させてもらえませんので、もっと早く、理想と現実のギャップに苦しむ、心の奥底の声に気付いてあげれば良かったと思っています。
また、私が傾聴していた彼は、彼女に何も施せない状況と憤りの中で、電話の最後に・・・
ひとりで抱えきれなくて・・・
・・・と、覇気を取り戻した声で話してくれて、私も少し安心しました。
問題の解決法や知恵、アドバイスも大事だと思います。
そのこととは別に、話して落ち着くことや、気持ちが前向きになることは、本質的に違うのですね。
わたしの経験からも、周囲の友人 知人からも幾度となく、「心の病」の人と接する側の心のケア、または、老人介護する側の心のケアの相談を、よく受けます。
・・・ 疲れた時に聴いてくれる人は、そばにいますか?
心にしっかり寄り添い、傾聴をさせていただくプロフェッショナルでありた いと思い、ほんわか倶楽部に登録させていただいております。
「傾聴」に徹することに、真摯に取り組む私で居続けたいです。
それが、私に出来ることだからです。
● 東山 明香里 ●
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